映画 「サウンド・オブ・フリーダム」レビュー

アレハンドロ・モンテベルデ監督、ジム・カビーゼル主演、製作総指揮にメル・ギブソンのかなり重いドラマです。
実在する元政府職員ティム・バラード氏が辞職して人身売買の犠牲となった子供達を救おうと尽力、危険すら顧みません。映画としてはフィクションも交えているのでしょうがほぼ事実だと思ってよいかと。
何が彼をそこまでさせたか。彼もまた家族を持つ身、子供がいます。行方不明になっている子供達を「他所の子だし」とは放っておけなかったのでしょう。
勿論、彼には妻子がいますがからそこまで自分を犠牲にする義務はありません。寧ろ家族の為に危険に身を晒す必要はなかったと言っておきます。それでも彼は子供達を見捨てることが出来なかった。この辺りに演じているのがカビーゼルってことが効いてきますね。私も「パッション」を映画館で観て、DVDも何度も観てますから(鞭打ち場面は飛ばします、直視無理)。このイメージがあるせいで「この人ならやるかも」と妙な信憑性を感じてしまう訳です。これをギブソンマジックと名付けたい。(冗談です)
人身売買の取引は南米で行われており、アメリカ政府職員のティムは活動できません。そのために辞職し現地の警察関係やその他の人々の助けを借ります。更には単身奥地へと。あらすじやネタバレ等の予備知識全く無しで観たのでラスト近くではハラハラ、神経のメーターが振り切っちゃってました。
さてこの映画、公開に5年程かかったそうです。そもそも製作途中で20世紀FOX社がディズニーに買収され、ディズニーはこの類の映画はイメージを損なうと捉えたのかお蔵入りにしようとします。そこで改めて別の配給会社によって買い取られ上映に漕ぎつけたとのことで。ディズニーの立場も分かりますんで批判はしませんが、配給会社を変えてでも公開されるべき映画です。
とにかく重いテーマですがストーリー自体はテンポが良く無駄が一切ありません。生々しい描写が無くとも観ていて辛い場面が幾つかあります。私自身がその場にいたらぶん殴ってますね。投げ技も普段は頭を打たないよう気を付けて掛けますけど奴等にそんな配慮は要りません。もし自分の子供にされたら、私は忽ち「童夢」のよヨッちゃんに変貌することでしょう。でもどんなに胸を痛めようと児童ムニャムニャの連中はどうにもならないのでしょう。そもそも需要があると云う事実。これだけは一掃できないものなのでしょうか。
全く個人的な意見ですがカビーゼルは「パッション」抜きにしてもどこか聖人っぽいですね。だから「ハイ・クライムズ」のずるいことったら。ショックでしたよ。