Hikachan115’s diary

白いねこヒカちゃんが好きなことを呟きます。主に映画や本、ゲーム、マンガなどです。小難しい考察はせず楽しむのが主義です。

映画 「ノマドランド」 これからは私も言うよ 『I'll see you down the road』 【ネタバレあり】

Nomadland

何故か忘れていた映画、「ノマドランド」を観ました。これはいわゆるロードムービーなのでしょうか。

 

主人公のファーンははリーマンショックで企業が倒産しその煽りでゴーストタウンと化した町エンパイアを去り、現代版ノマド遊牧民)生活を始めます。住処は車中で、町から町を渡り歩きそれぞれの地域で働き生計を立てます。
「ホームレスではないの、ハウスレスなの」と彼女は言います。そしてノマドのコミュニティでファーンは同じような生活スタイルを選んだ人々と交流します。車上生活ですからいろいろ大変なこともあります。また、出会いもあります。デヴィッドという男性は彼女に好意を抱いており、彼が息子の家に戻る折、ファーンを誘います。
ノマド仲間の女性スワンキーの死などを乗り越え、彼女は新たに自分の生きる道を選択するのです。

 


何しろフランシス・マクドーマンド主演ですから、淡々とした地味な展開の映画であってもたちまち引き込まれます。最初に心配になったのは治安のことでした。彼女が暴漢や強盗に襲われてしまうのではないか。けれど、同じようにノマド生活をするコミュニティがあり、お互いの自由を尊重しつつ助け合う人々と出会います。恐らく現在のアメリカの現実なのでしょう、数の多さに驚かされました。このようなライフスタイルはアメリカの社会に容認され確立しているのです。
ノマドを選ぶ人々の理由・動機もそれぞれですが、求めるものは同じに違いありません。

 

ファーンは夫を失ったこともあって寂れ切ったエンパイアを捨てます。彼女は普通の暮らしをする妹から一緒に住もうと誘われても断ります。また、デヴィッドを訪れた際にも「ゲストハウスに住んでいい。家族には話してある。」と言われます。でも彼女は誘いを断り静かに立ち去ります。

 

ノマドの集いで彼女はスワンキーが亡くなったことを知らされます。スワンキーは末期がんを患っていましたが、病室で最後の日々を過ごすより自分の残りの人生を楽しみたいとノマド生活をしていたのでした。ノマド仲間たちとスワンキーの追悼をした後、集いの主催者であるボブに「自分は思い出と生きることに時間を費やし過ぎた」と告白します。ボブは言います、「自分は沢山の人に会ってきたけれど、決して『さよなら』を言わないんだ。別れ際には『I'll see you down the road』(また会おう)と言って、実際に会えるんだ。」と。

 

待って、それって、「F1」でソニー(ブラピ)が言ってるセリフやん(涙)そうだ、ソニーは車上生活してる。レースからレースを渡り歩いてる、レースノマドやん(ほぼ号泣)

 

ボブの言葉を聞いたファーンは町に戻り持ち物を処分します。思い出に別れを告げたのでしょう。その後、また車に乗り込み何処かへ旅立ちます。またノマド仲間と交流するのでしょう。もしかするとデヴィッドの元へ行くのかも知れません。どちらにせよ彼女の心が選ぶままです。

 

実は私自身、子供の頃からこのような生活に憧れていました。なにせアニメ「マッハGoGoGo」のオープニングにちらっと登場するベドウィンにときめいていた幼女でしたから。「F1」のソニーを見た時も同じ反応をしてしまいました。


ノマドランド」は2020年の映画ですが、まさか今年上映された「F1」と共通するものがあるなんて驚きでしたね。
しかしノマド生活はロマンではありません。年金では暮らしてゆけない人々がアメリカでは増えているという現状を描いています。それ故の生きるための選択としてある訳です。自分の最期はどうあって欲しいか、それから逆算した生き方を、アメリカであれ日本であれ、経済的状況に関わらず、今の私たちは課題として与えられているように思えるのです。


前の二つのブログとは大違いの真面目なレビューになりましたね(苦笑)
今回も読んでくださってたいへんありがとうございました。